健康づくりについて

Q1:生活習慣病について

生活習慣病の始まりには、自覚症状というものが全くないので、早期発見・早期治療には定期的に検査を受けることが必要です。
 「生活習慣病」という用語は、平成8年12月に、公衆衛生審議会成人病難病対策部会でとりまとめられた意見具申(「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について」)が当時の小泉厚生大臣に提出され、その後、厚生省では「成人病」から「生活習慣病」を行政用語として使用するとともに、一般的な名称として広まりました。この名称に変更されたことで「生活習慣の改善によって病気の予防や治療を行う」という考え方が広がってきました。
 どのような病気が「生活習慣病」と呼ばれているかといえば、日本人に多いのは「高血圧」、「糖尿病」、「動脈硬化による心臓病や脳卒中」、そして「がん」などで、いずれも重大な健康障害要因です。これらの病気は、食生活、運動、休養、喫煙、飲酒など、日ごろのライフスタイルと密接な関わりがあるといわれています。
 生活習慣病は40歳代を境に増え始めますが、心がけ次第で将来の危険度(リスク)を大幅に軽減できます。30歳代の人はまだ若いからというのではなく、また40、50歳代の人は、今からでも遅くはないので、生活習慣をもう一度見直してみる必要があります。

Q2:心の健康について

 心の健康には、個人の資質や能力のほかに、身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係など、多くの要因が影響し、なかでも、身体の状態と心は相互に強く関係しています。
 心身症という名称があるように、以前から、ある種の疾病の発症や進展に心理的な要因が影響することが知られており、最近ではこの関係が実証されています。例えば、ストレスが多いと風邪などの感染症にかかりやすくなること、心臓病などの病気にかかりやすい性格や行動があることなどが有名です。
 心の健康を保つには多くの要素がありますが、適度な運動、バランスのとれた栄養・食生活は、身体だけでなく心の健康においても重要な要素となります。これらに、心身の疲労の回復と充実した人生を目指す「休養」が加わり「健康の3つの要素」となります。さらに、十分な睡眠をとり、ストレスと上手につきあうことが、心の健康に欠かせない要素となっています。
 ストレスを感じる時について、男性では、20歳代から退職を迎えるまで「仕事」に一番ストレスを感じています。これは、職場における人間関係、転勤、単身赴任、残業、昇進など様々な要因によるものと思われます。一方、女性は、やはり「仕事」に一番ストレスを感じていますが、30歳代は一時的に「育児・出産、子どもの教育」によるストレスが高くなっています。
 ストレスの解消には、
  ① おしゃべり = 人に不安や苦悩を語る
  ② 汗をかく = スポーツ
  ③ 打ち込む = 趣味を楽しむ
 この3つの組み合わせることが大切です。
 ストレスにより心身に異常を感じたら、早急に職場のカウンセラーやかかりつけの医師に相談するか、「心療内科」を受診しましょう。